時雨れてよ足元が歪むほどに 海童
なんつーかさー、いい句だなぁと思うわ。
この句には恋をしている真っ最中の女の情熱があるように感じるのよね。
自棄のやんぱちにいつだってなれちゃう女の危うい感じがね、とてもよく出ていると思う。
意志の強そうな目を持つ女が時雨れた冬の空の下に鮮やかな色の傘を持ってただ佇んでいる、という情景が頭に浮かぶ。
女の情念に時雨は勝てないのよ。
この句って夏目雅子がつくったものなのよね。
びっくり。
美しいだけでなく、こういう感性まであるなんてね。完璧じゃん。
時雨れてよ、なんて出てこないよなー。
若いうちにとっとと死んでしまった美しい女の詠んだ句。
このなんとも熱っぽい句にぴたりとあてはまるような詠み手だなぁ。
今日の本は浅田次郎の『あやしうらめしあなかなし』です。
これはホラーなんですけどもね、前編に愛とか恋とかいったそういったものが描かれていたように思えました。
人は生きてても、死んでからも、人の情に絡めとられるのだとね。
女のが情ってのは強ければ強いほど悲しいなぁ。
そんなふうに思うわい。
ホラー的には、
美少女が縛られた自分の手を食べてしまう、ってのが一番想像するとこわかったな。