日常生活や読んだ本の感想等々。
The Wizard of Oz The Wizard of Oz
L. Frank Baum (1996/10)
North South Books
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Yellow brick road
黄色いレンガの道を行け



先日、ついうっかりと『オズの魔法使い』をみてしまいましたよ。
ジュディガーランドが奇嬌な様子で歌い、踊っていた。
正直こわい。
こいつらと旅なんてしたくない。

それにしても視覚的まるみのないファンタジーだなぁ。
色が毒々しいからか?
イデアの世界にだけ存在するのであろうファンタジーを、生身の人間が演じるというところに現実とファンタジーの齟齬があるのだろうな。
ブリキのきこりもマジこえーし。
子供はあれをみて泣かないのだろうか?


視覚的に具現化されたファンタジーを求めるときは、やはり絵がいいな。絵で楽しみたいな。
ツヴェルガーの描いた絵本、『オズの魔法使い』。これはたいへんかわいく美しい本だ。
やわらかい色彩で描かれた世界はやさしさに包まれている。
情緒があり、鋭角的なものがないこの絵本はプレゼントにも最適だ。
これなら黄色いレンガの道を進みたくなる。


テーマ:洋書 - ジャンル:本・雑誌

クリスマスのまえのばん クリスマスのまえのばん
クレメント・クラーク ムーア、リスベート ツヴェルガー 他 (2006/10)
BL出版
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高島屋ではもうすでにクリスマスソングがながれているよ…!
原色ばりばりの赤と緑2タイプのクマのぬいぐるみ(色盲検査のようでこわいよ!)が重ねられてツリーにされとるし。(一体どういう経緯でこのクマツリーに行き着いてしまったのか知りたいよ。私は。)
日本橋高島屋の怪。

しかし、
にわかハロウィンが終わったと思ったらもうクリスマスか!
「まだ11月も始まったばかりだってのにねぇ…」とかって、思わずショボショボしてしまう。
老け込むわ!



本屋もクリスマス絵本特集みたいな台がもう出ておる。
小さな頃はクリスマスプレゼントに絵本をよく貰ったなぁ。
とか思っておったら、リスベートツベェルガー挿画の絵本が出ていたよ…!
ふがっ。
リスベス♪
リスベス♪
ツベェルガーの絵はだいすき。
なんであんなにやさしい絵なんだろう。

京都の“えき”で開かれた個展も見に行ったさ。
東京から京都まで夜行バスで行き、夜東京まで新幹線で帰るというハードスケジュールでな!(仕事の都合で時間が取れんかったのよね。)
…キツかったなぁ。
しかしながらキツくても見に行って良かった。
やはり原画の美しさは印刷では出ないのね。
ツベェルガーの生絵をあんなにたくさん一度に見たのは初めてだったので感動した。

今日の本。
表紙にはベットで並んで眠る子供たち。
彼女の絵には止められた時間の切り抜きがコラージュされている。
そのコラージュは、一日の終わり、眠りに落ちる直前のまどろみの中で思い出したいもののすべてであり、その一部でもあるのだ。
ツベェルガーの絵は、止められた時間の一瞬を描いているにもかかわらず、羽が地面に舞い落ちるような軽やかな動きを見せ、私の目を画面に縫い付ける。
目を離した隙に動き出してしまうのではないかと思うような軽やかさ。
私はページを繰るたびに小鳥が逃げてしまわないように息を潜める。

初めてみたツベェルガーの絵本は小学生の頃に貰った『賢者の贈り物』だ。
近作とは違い、初期のツベェルガー作品には大きくとられた構図や、インクの濁りが見られる。
にじみや濁りによる画面の暗さは、年を重ねるごとに明るく透明なものへと変化していく。
しかし変わらないものがある。
作者の目線だ。
対象物の中心をぶれない目で見つめ、それを紙の上におこす。
観察者の目で描かれているにもかかわらず、その視線はひどくやさしい。

この新作絵本を見て私は少し泣いた。
不意打ちのようなやさしさに当てられ動揺した。
この人の絵はほんとうにやさしいな。




テーマ:絵本 - ジャンル:本・雑誌

まよなかごっこ まよなかごっこ
クヴィエタ パツォウスカー (1993/12)
太平社
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先日、生まれてきた赤ん坊を拝見すべく友人宅へ行って来た。
2ヶ月の赤ん坊の全長って結構でかいのな。
重いし。
首もしっかりとすわっていて、ゆすったり振ったりしても平気だった。
なぜだか知らんが私はよく赤ん坊や子供にガン見される。
いったいなんなのだ? と、問いたくなる程の凝視をすれ違う子供からまま受ける。
今回もまたこの友人宅のチビにガン見の刑を受けた。
大泣きしていても泣き止んでガン見。
じぃいいーーーーーーーーっと見つめては意味もなく笑ったりすんのね。
そんなに見つめないでくれ。
穢れのない生き物にガン見をされると目をそらしてしまう腐った大人なんですから!
それにしても、
私はそんなに珍しい生き物なのだろうか。



このチビにもう少し大きくなったら送ろうと思うのが、クヴィエタ・パツォウスカの『まよなかごっこ』
お芝居が大好きなお月さまがサーカス小屋に降りてくる話です。

大型のしかけ絵本で、とにかく美しい本だ。
赤・緑・黒・黄 と、色盲チェックのような色がはじけるように使われているのにね。
それはとても繊細で、音を含んだポエムのような画面をつくり出しているんだよ。
とても鮮やかな本当の赤が、音のない夜のように静かな色に見えたりするのも不思議だ。
やたらにフワフワとした現実味のない手品を見てるみたいな気になってくる。

色の魔術師、つーのはこういう人のことを言うんだろうなー。

テーマ:絵本 - ジャンル:本・雑誌

キツネ キツネ
ロン ブルックス、マーガレット ワイルド 他 (2001/10)
BL出版
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この絵本はこわいです。
私が読んだことのある絵本の中でもベストスリーに入るこわさだよ!
キツネの孤独がひりひりするくらいに痛いよ。

火にまかれて命からがら逃げ出したイヌとカササギ。
この野火によってイヌは片目を、カササギは羽を焼かれて飛ぶ能力を失ってしまう。
飛ぶ事の出来なくなったカササギは絶望し悲嘆に暮れ、一緒に暮すイヌにすら心を閉ざす。
イヌはそんなカササギを背中に乗せ野を駆ける。
「飛んでるみたいだろ」というイヌに最初は抵抗をみせていたカササギも徐々に心を開き、羽を広げ「飛んでいた」ことを思い出す。
カササギの失われた羽の代わりに、カササギを背に乗せ野を駆けるイヌ。
そんなイヌにカササギは、イヌの失われた片目の代わりになると言う。
充足された関係を築いた2匹は仲良く暮らす。
でも、そこに不吉な影が現れる。
燃えるような毛色をしたキツネの登場。
不幸の訪れ。
カササギはキツネに不穏なものを感じるが、イヌはこころよく住処にキツネを招き入れる。
キツネはカササギにイヌを捨てて自分と来るようにと誘惑する。
「飛ぶことがどんなだったかおぼえているかい?本当に飛ぶってことがさ………」と。
キツネを嫌悪しながらも、イヌと「飛ぶ」ことに幸せを感じなくなっていることに気づくカササギ。
「確かに、飛ぶってこんなことじゃなかった」とカササギ。
そんなある朝、犬がまだ眠っている間にカササギはキツネの背中に乗って、「飛び」に行ってしまう。
風をきる羽、スピード…
キツネの背で本当に「飛ぶ」ことができたカササギ。
幸福な時間。
しかし、飛ぶように早く、遠くまで走ったキツネは、焼けた地面の荒野にカササギを振り落とし、
「これでおまえもイヌも1人ぼっちがどんなことかわかるだろう」
と、カササギを置き去りにして咆哮とともに消え去る。
飛べない羽では戻れないほど遠くに来てしまい、灼熱の太陽の下で苦しむカササギは、これなら死んだほうがマシだと思う。
だがカササギはひとりぼっちで残されたイヌを思い出し、イヌの元へ帰る為に一歩一歩きだす…
終わり。


おわりって!!!
この絵本のどこに救いはあるんだよ!?
カササギの行き倒れ率確実に90%以上じゃん!
イヌのとこまで帰れないよ!
なにこれ?
戒め?
誘惑にのるなってこと?
足るを知れってこと?
そんな悟りきったヤツいないって!
無理でしょ!
後味悪いよう!
で、
その後味の悪さの理由は、ただただイイヤツなイヌのせいでもなく、運悪くタチの悪いヤツに巻き込まれてしまったカササギでもなく、キツネのせいだ。
このキツネがね、本当にこわい。
カササギに吐き捨てた、
「これでおまえも犬も1人ぼっちがどんなことかわかるだろう」
って言葉。
愕然としてしまう。
そんなにまでもカササギとイヌの関係が羨ましかったの。
そんなにまでも自分の事を彼らに分かって欲しかったの。
キツネのこの言葉の持つ重みってちょっとすごいと思う。
修復不可能な心ってのはあるんだな、とぼんやり考えてしまうほど孤独な存在として描かれているキツネ。
悲しくて悲しく何もかも壊してしまわずには居れない不健康な心。
壊してしまったものの残骸を見てさらに荒廃する精神。
修復されないままに放置された心は本当にこわい。

キツネは本当はカササギが誘いにのらないでいてくれる事を願ってたんじゃないのかなぁ。
こんなふうに考えるのはおめでたすぎるかなぁ。
でも最後にキツネが上げた咆哮は「そら、みてみろこんなもんだ」という勝鬨の声ではなく、「どうしてこんなに脆いんだ なぜ自分の誘いにのったんだ 信じられるものなんてない」という自分に向けた悲鳴であったように思いたいもんね。
そう信じたいな。
どちらにしてもキツネに救いはないな。

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Author:jamilam
無節操な本読みです。
たぶん口が悪いです。

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