日常生活や読んだ本の感想等々。
ボビーZの気怠く優雅な人生 (角川文庫) ボビーZの気怠く優雅な人生 (角川文庫)
ドン ウィンズロウ (1999/05)
角川書店
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擬似家族、
こういう関係性を持ったものって結構好き。
大学のときの専攻科がまさに擬似家族であったな。
嫌でも4年間同じとこにいると自然とそうなっていくんかなぁ。
朝から晩まで顔合わせてて、実の家族なんかよりよっぽど長くて濃い時間を過ごすからかなぁ。
人数も少なく年齢に幅があったからか、それぞれが納まりの良い役に落ち着いていたな。
母さんに父さん、帰ってこない兄に出戻った姉、頼りにならない次男に家に寄り付かない次女、、、、
私は何をしでかすか分からない末っ子として扱われていました。

アトリエで飯を作っちゃ食い、酒盛りをして、何か困ってる子がいたらみんなで引っ張りあげる。
その関係性に“擬似家族”なんていう名前を与えちゃってる時点で気色の悪いと思うんですがね。
名前があるからこその居心地の良さ、ってのがありました。
いつかは解散しちゃうのが擬似家族だもんな。
本物の家族にはならないからこその距離感とかね。
いまだに、元・擬似家族の面子とはちょいちょい合って酒飲みますよ。
全員が揃う事は二度とないんですけどね。
このさみしさも擬似の分だけ薄いのかな。





今日の本は、なんとも愛しい擬似親子が登場する、『ボビーZの気怠く優雅な人生』です。


服役中の刑務所でティムカーニーは正当防衛(でも殺しちゃ困るの目に見えてるからもうちょっとどうにかできんかなぁ)で、悪い子ちゃんチームのメンバーを殺しちゃうのよね。
で、
塀の中で命を狙われる羽目になるのよ。
こりゃ困るわ。
逃げ場所ないからなんもせんかったら殺されるの待つだけだわ。
さて困ったぞ、ってとこで話が動きますよ。
麻薬取締局がティムに取引を持ちかけます。
南カリフォルニアの伝説的サーファーで麻薬組織の帝王“ボビーZ”の替え玉になれ、とね。

ティムカーニーは海兵隊あがりの冴えない落ちこぼれのこそ泥ですけどね、見てくれがこのボビーZのそっくりなんですよ。
この半端者の男ティムが、もう敵ばっか!みたいな状態の中、危機を乗り越えていきます。
うほほ。
いいね。
しょうもない人間ががんばる話好きよ。
このティムもへなちょこなのに憎めなくて良いんだが、何より良いのがキットですよ。

ボビーZを父親だと思っている少年キットの存在が良かった。
大人っぽい9歳のキットと、どこか大人になりきれない男ティムとのやり取りが、この作品に垢抜けない優しさを与えてるんだな。
父親でもないのに終始“父親”として振舞うティムの姿が滑稽なのに真摯でね。
息子でもないキットを救い出すために死地へと向かうティムにぐっとくるよ。

スピーディーな展開で読みやすいので夏の暑い日の読むのにぴったり。おすすめ。

テーマ:読書 - ジャンル:小説・文学

砂漠で溺れるわけにはいかない 砂漠で溺れるわけにはいかない
ドン ウィンズロウ (2006/08)
東京創元社
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断じて湯船から出るべきではなかった。
ってね。




ニールケアリーのシリーズ第一弾、『ストリート・キッズ』(←シリーズで一番おもしろいよ。)を読んだのは一体いつだったのだろうか?
うわー。
もう10年くらいたってるよ!
読んだ時にちょうどニールと年が同じくらいだったんだもんなぁ。
すげー。
自分が必要以上に年を食ったことに愕然となるね。

そのニール・ケアリーシリーズの最終巻、『砂漠で溺れるわけにはいかない』です。
ナーイブな減らず口少年は、巻を重ねるごとにちゃんと二本の足で立つ大人になっていったね。
カレンとの結婚話が進んでたりね!(アレだったけどね!)
うはー。
なんだか近所のちょっと悪かった子がさ、だんだんと年とともに軌道修正し、真っ当になっていく姿を見ているような気になっちゃうな。
(で、気づいたら自分よりもよっぽど真っ当な大人になってましたー。ってな感じを味わいます。)

ハードボイルドという体裁をとりつつも、若者の成長を繊細に描いているのが好ましかったなぁ。
ちゃんと主人公の弱い部分を書いてるところが気持ちいいね。
強さばかりを強調したハードボイルドって胡散臭い男のファンタジー、って感じがして引くもん。
人間の弱さってのは排除すべきものじゃないよね。
その人間を形づくる重要な成分のひとつだと思う。
それは欠点になるにかも知れないけど、育て方次第ではその人の魅力になるよ。
人間には「つけこむ隙」「つけいれられる隙」が絶対的に必要よ。
そうでないやつは魅力がない。もてない。

今回も抜け出せたと思ったはずの<朋友会>絡みの仕事が“父親”のグレアムから舞い込む。
仕事の内容は、八十六歳の元コメディアンのじぃさんをラスベガスから連れ戻すというもの。簡単な仕事と思ったらこのじぃさんが一筋縄ではいかない―――。
てな感じで、今回もニール君はがんばる。
おもしろかったよ。
最終巻がこういうコミカルな感じってのが軽くていいなぁ。
さみしくならないね。
でもやっぱりさみしいか。
しょうがないけど、さみしいや。

成熟した大人になったニール・ケアリーに再度会える事をドン・ウインズロウに願いつつ、


バイバイ、元・ストリートキッドのニール君!
くれぐれも完全無欠のスーパーヒーローになんかならないでね。



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無節操な本読みです。
たぶん口が悪いです。

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