日常生活や読んだ本の感想等々。
チェリー チェリー
野中 ともそ (2007/09)
ポプラ社
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さむい。
とうとう冬が来たようだ。
さむい。
手足の先から死んでいくようだ。
さむい。
さむい。
さむい。



今日の本は『チェリー』です。
物語は12歳までをアメリカで過ごしたショウタが両親の離婚で日本へ帰ってくるところから始ります。
鬱屈した日々を送るショウタの前に、叔父からある提案が示されます。
叔父の前妻の母親が居座り続け、処分も出来ずにいるアメリカの家に行かないか、と。
ここから物語りは動き始めます。
最初こそ魔女退治のつもりでいたショウタですがね、その“魔女”のモリーにノックアウトされてしまうんですよ。
人見知りでやせっぽちで人に対して不器用過ぎる少女のようなモリー。
退去するよう説得するつもりでいたショウタですが、日を追うごとにモリーの魅力に引かれていきますよ。
とても出て行けなんていえないようになってしまいますよ。

つたない日本語、流暢な英語が口からこぼれるショウタは、日本に帰ってきてからこっち、学校で浮き立っちゃってね、帰国子女と言われ距離を置かれてるの。
頼りにすべき大人であるショウタの母は変化を受け入れ、新しい生活を着実に積み重ねてるしね。
自分だけが身の置き場を持たず、動けない。
子供が異物を排除しようとする気持ちも分かる、大人の都合を子供が呑み込まなければいけないというのも分かる。
分かるけれども日ごとに募る苛立ちはショウタを静かに閉じさせるよ。
大音量で聞くギャングスタの暴力的なラップがショウタの盾となりますよ。
手で耳を塞ぐかわりにヘッドフォンを、みたいな。
そんな子がね、モリーに出会い変わりますよ。
本当に大切なものを見つけたときに臆病にならず、なんのてらいもなく動けるようになる、という意味では変わったんだろうけども、変わる、というより本来の自分を取り戻すというのが近いかな?
まっさらなモリーにあてられてショウタ自身もまっさらな人間になったんだなー。

つーかこの本は作者がものそい大切に書いたんだろうなー。
誠実に書かれている、というのが伝わってきた。
いい話でした…
あああああああ!
つか!
もう!
世界の中心あたりで泣き喚く暇があったらこの本を読んだらいいと思う。
まじで!
今でも思い出してうるっとくるよ!
しかもだーだー泣くような悲しみではなくて、うるっときて胸が苦しくなる類のものだから!
いい!
老婆と少年の純愛!
ショウタの告白がもう物凄くいい。
本当にいい。
なにあの白黒映画のターザン的な単語しゃべりは!
反則じゃね?
ちょうぐっときたし。

それからここ重要。
私もモリーのチェリーパイが食いたい。
すげー食いたい。
読み終わった後ケーキ屋行ってしまったわよ。
チェリーパイ無かったわよ。
物凄い妥協して仕方ないから4種のベリーの季節のタルト買ったわよ。
なんだろうこのみたされなさは、みたいになったので恨み言のひとつも言いたい。

テーマ:読書 - ジャンル:小説・文学


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無節操な本読みです。
たぶん口が悪いです。

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